「僭越ながらお話しさせてください。」
「僭越ながら私どもの紹介をいたします。」
スピーチや発言の前置き部分でよく使われる言葉です。
意味はちょっと難しいですが、一言で表わすことができる便利な言葉。
僭越の読み方
これは、
「せんえつ」
と読みます。
僭越の意味とは
これは、
「自分の地位や立場を越えて出過ぎること」
という意味です。
冒頭の例文は、
「自分のような者が出過ぎたことをして大変恐縮ではございますが、お話をさせてください。」
という意味になります。
偉い人が言うこともありますし、
身分の低い人が発言する際に使うこともあります。
偉そうなことを発言する前に「僭越ながら」と言い、批判を避ける技。
日本人らしい前置きです。
「僭越」の漢字それぞれの意味と語源・由来を説明します。
「僭」は「おごる、おかす、なぞらえる」という意味の漢字。
語源は「簪(かんざし)」と「祈りの詞を入れた器」と「人」の組み合わせ。
相手を呪い自分の身分を高める行為を表します。
その意味から、「身分不相応なことをする=おごる、なぞらえる」という意味になった。
「越」は「こえる」という意味の漢字。
語源は「走る」と「まさかり」の組み合わせ。
武器を持って渡り超えることを表すのかもしれませんが、不明です。
二つを合わせると「越えておごる」となる。
「身分を越えて目上の人のように振る舞う」という意味でも良いです。
謙虚さを表す言葉なので、スピーチの時などによく使われます。
若い人には通じないかもしれませんので、そこは注意しましょう。
僭越の使い方
・僭越ながらご紹介に与りました田中です。
・見通しを僭越ながらお話させていただく予定です。
・僭越ながら、一言申し上げます。
以上、僭越の意味でした。